【なでる】…。多くの場合、飼い主が、犬や猫などのペットを撫でると、ペットは気持ちよくなります。母親に撫でられた子どもも同様に、嬉しそうな笑顔を浮かべます。一体、なぜそのような感覚になるのでしょうか…?
撫でることで
皮膚が
振動し、その
刺激が、
脳に
届くことで
オキシトシンが
分泌されるところに、その
秘密があります。
少し面倒な内容かもしれませんが、【なでる】ことの効果に期待し、子どもを大切に考える気持ちを忘れず、この数分間を無駄にせず、最期までご熟読ください。宜しくお願い致します。
撫でることは、一定のリズムで行われている行為に思えますが、実際はそうではありません。強かったり弱かったりといった不規則な振動が繰り返し皮膚を通して脳へと伝わっています。
例えば、自然のそよ風、寄せては返す波、人の呼吸、蛍の光…その全ても同様です。そよ風を例に考えるならば、無造作にごく自然に吹いている風も、風速や風の音などにさまざまな振動数があります。科学的な解析によれば、そよ風の強さは一定ではなく、やはり、強くなったり弱くなったりしているそうです。
その変化は、私たちの期待通りの風であることもあれば、期待に反した強弱を繰り返す意外性を与えてくれる風であることもあります。
このように、期待性と意外性が混じりあった現象が、私たちに快適さを与えてくれます。
聴覚は、空気の振動を耳で聞くことですが、音そのものには強弱があり、この現象が含まれているため、好きなテンポや強弱の音楽を聞いた人は、ほとんど例外なく快適な気分になります。さらには、
モーツァルトの音楽を聞いたワインが良く熟成するとか、
音楽を聞かせると野菜が良く育つともいわれており、成長にも関与していることも証明されています。
視覚についても、例えば、
ろうそくの灯が同様であり、その特性を取り入れた電灯が販売されていますし、いつの時代も、私たちが
蛍の光に癒されていることからも、この現象の効果は明らかです。
この現象を踏まえ、【なでる】行為を考えますと、撫でられたペットが気持ちよくなることも説明がつきます。
マッサージ機でマッサージされても、すぐに飽きてしまいますが、人にマッサージされると、数時間でも飽きることがありません。このことは、人の手で【なでる】行為にも、同様の現象が含まれているからです。そして、
【なでる】ことでの刺激が【脳】に伝わると、【オキシトシン】という愛着ホルモンが分泌されることに、本来の効果があります。好きな人と肌を合わせている時、なぜあれほど気持ちよい安らいだ気分になり、幸福感を感じるのか…?この答えがオキシトシンにあったのです。
触れることとオキシトシンの効果…
1.成長を促します。
フロリダ大学のField-T研究があります。未熟児の赤ちゃんを2つのグループに分け、一方のグループにマッサージを続けていた結果、マッサージされたグループの未熟児は、著しく体重が増加した。
また、ラットの実験にもあります。子ラットを母親から隔離すると、子ラットはストレスが高まり成長ホルモンの分泌が低下しましたが、筆先で軽く撫でてマッサージを続けたところ、隔離されていない子ラットと同様の成長に回復した。
2.リラックス効果があります。
撫でることによって血圧や心拍数が下がることは、動物実験でもマッサージの効果は証明されております。また、アメリカで行われた人に対しての研究でも、マッサージによって気分が良くなり症状や苦痛が緩和されたことが報告されています。
3.愛情が深まります。
ラットの実験です。ラットは非常に臆病な動物で、自分の産んだ子ラット以外を恐れる特性があります。ところが、子どもを産んだことのないメスのラットにオキシトシンを注射すると、臆病なはずのラットが自分の子ではないラットに母乳が出ないのに授乳するかのように横たわりました。しかも、この効果は、メスだけではなくオスでも同様の結果だったそうです。
また、オキシトシンを注射されたラットは、群れる傾向が強くなり、他との接触を恐れる傾向が弱くなり、集団内での攻撃性が減少し、有効的な交流が見られたそうです。オキシトシンは、触れることで繰り返し分泌させることで効果が深まるため、乳幼児期に長期的に触れられ続けた子どもは、将来に渡って情緒が安定し、攻撃性が減少し、社交性が深まります。
4.穏やかな性格になります。
スウェーデンの保育現場での実験です。教育にマッサージを取り入れたところ、特に、乱暴な言動で集団の輪をかき乱す男の子に効果があり、クラスメイトとの問題が減少し、家での不調も減少した。
分析の結果では、小学生はおろか高校生になっても、乳幼児期に長期的に触れられ続けた影響は、その後の人生においても続いていくことが言われています。
5.頭が良くなります
オキシトシンには、学習や記憶を促す効果が言われています。乳幼児期に長期的に触れられ続けたことで、子どもは、自分が価値ある存在であることを理解します。このことが、自分に対する自尊心を高め、結果として、学習に対する高い意欲が導き出されるといわれています。
オキシトシンは、まだまだ研究段階であり、その報告もさまざまではありますが、幼少期に長期的に撫でられ続け愛着を注がれた方々には、その効果は、もはや、説明は不要と考えます。
最期までご熟読いただき、ありがとうございました。【さする】ページ【タッピング】ページや【サイドバー】のページも、是非、ご熟読いただければ幸いです。