【タッピング】には、【なでる】【さする】以上に、相手の心の不安感を低下させる効果がありますし、タッピングする側の不安も低下するといわれております。
赤ちゃんが泣きじゃくるとき、
母親は赤ちゃんを
抱っこしながら、赤ちゃんの
背中を“
トントン”と
タッピングします。単に抱っこするよりも、タッピングしながらのほうが、赤ちゃんの
不安感をより
効果的に
低下させることができます。そして、タッピングした
母親自身の
気持ちも
穏やかになります。
このタッピングする行為は、おそらく、自分自身が親から行ってもらっていたからこそできる行為です。そして、おそらく、親からタッピングされていた自分自身が、もっともこの効果を記憶ではなく体で知っていたからこそ、不安に泣きじゃくる我が子にも効果があると信じ行った…という考えが自然です。
タッピングの効果
タッピングの効果としては、特に、
【セロトニン】が注目されています。【セロトニン】は、心理的な平常心を保つ働きをしています。【セロトニン】神経以外にも心の状態に関わっている神経には、【ドーパミン】神経(食欲、性欲、喜び、快楽、陶酔感…)と【ノルアドレナリン】神経(不安、怖れ、驚き、ストレスなど)がありますが、【セロトニン】神経は、これら2つの神経に対して、抑制作用があります。
つまり、【セロトニン】神経は、興奮と不安を抑制して、心のバランスを保つ働きをしています。
【セロトニン】を分泌させる方法は、座禅やヨーガが効果的です。しかし、そのような手技や技法の習得には、とてつもない時間がかかり、途中で挫折してしまう人が多い…という難点があります。
より簡単なところでいうと、
リズミカルに歩くときや、
ガムを噛んでいるときなど、一定のリズムを体に与えると、セロトニンが分泌されることが証明されております。
そのため、【セロトニン】は【タッピング】により十分に分泌されます。タッピングの場合、【撫でる】【さする】とは異なり、リズミカルな刺激が効果的であるといえます。
だからこそ、不安に泣きじゃくる我が子に、【撫でる】【さする】ではなく、【タッピング】するという訳です。
体に刻みこまれるつらい経験の記憶
例えば、親からいつも叱られ続けたり、虐待を受けていた子どもというのは、普段から、顔や体の筋肉に知らずに力が入っており、硬直させています。顔が無表情でこわばっていたり、肩を丸めたりいからせたりしていることが多い。これは、叱られたり罰せられたりするたびに、身を守ろうと身体を固くしてきた結果、そのような筋肉パターンが慢性化してしまっているからです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、相手の表情や言動に対して、柔軟に対応できる心の状態で生まれてきます。しかしながら、例えば、虐待を受けることにより(そもそも虐待を虐待を自覚していない親も多いのですが)、そのとき、自分が、“身をすくめて泣き叫んだ”経験が体にインプットされてしまい、その後、他の人と接したとき、過去の辛い経験がよみがえり、再び、身をすくめ泣きたい表情をさせてしまいます。
このような、体に刻みこまれた辛い経験の記憶があり限り、当然、人と積極的に関わろうとすることは少なくなります。
つまり、このようなことがないように、子どもが悲しい表情を見せたときには、話を聞いたり共感したりするだけでなく、タッピングをしながら【セロトニン】を分泌させると効果的という訳です。
そのためには、子どもが小さいときから、タッピングを通して【セロトニン】の効果を体感させておくことが大切という訳です。
最期までご熟読いただき、ありがとうございました。【さする】ページ【タッピング】ページや【サイドバー】のページも、是非、ご熟読いただければ幸いです。